最近では、個人でウェブサイトを制作し、運営している人が増えています。例えば、ブログやお店のホームページなどは日常生活でも身近ですよね。
そして、なんと就職活動(特にウェブやIT、デザイン系の企業への就職を目指す場合)でも、ポートフォリオサイトで実績やスキルをアピールする機会が激増しています。
ウェブサイトや企業の求人情報に興味がある方は、WordPress(ワードプレス)という言葉を聞いたり、目にしたりすることが多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、WordPressというシステムを利用すれば、誰でも簡単に本格的なサイトを制作できることを紹介します。
「WordPressをよく耳にするがどんなものでどこに使われるものか知りたい」という方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
WordPressとは
早速、本題のWordPressをズバリ一言でいうと、「専門知識がなくても、簡単にウェブサイトやブログを作成・運営できるシステム」です。
CMSと呼ばれる無料のソフトウェア
もう少し詳しく説明すると、WordPressはCMS(Content Management System)と呼ばれるソフトウェアの1つです。
CMSでは、プログラミングやHTML(Hyper Text Markup Language:ウェブページを作成するためのマークアップ言語)、CSS(Cascading Style Sheet:HTMLで作成されたページのレイアウトやデザインなどの装飾をするための規格)などの専門的な知識を持っていなくても、ウェブサイトを作成・運営できます。
CMSの中には、有料のソフトウェアとして販売されているものもありますが、WordPressはオープンソースといって、なんとウェブ上にて無料で公開(※導入にはレンタルサーバーやドメインなどの費用はかかる。完全に無料で利用することも可能だが一般的ではない。)されています。
CMSのうちWordPressの日本国内での市場シェアは80%を越え、2020年現在では、全世界の35%のウェブサイトがWordPressを利用して作成されています。
WordPressが利用されているウェブサイト
実際に、WordPressを利用しているウェブサイトの例です。月間で1億回以上閲覧されている企業サイトです。
- 東京国立近代美術館(https://www.momat.go.jp/)
- カカクコム(https://kakaku.com/)
- ヤマサ醤油(https://www.yamasa.com/)
他にも多くの有名な企業サイトでWordPressは利用されています。気になる方は、例えば「WordPress 企業サイト」というキーワードで、ぜひインターネットで検索してみてください。誰もが知っている大手企業のサイトでWordPressが利用されることが分かりますよ。
WordPressでのウェブサイト作成
WordPressでは、トップページやメニューごとのページ、お問い合わせなどの基本的なページが作成できます。
また、ECサイトで見られるような多機能なギャラリーページやショッピングカートなども、難しいコードを入力せずにクリックと文字入力のみで、あっという間に作成することができます。
さらに、最近よく見る、1ページ型サイト(1ページに全てのコンテンツがある)のようなお洒落なサイトも作成可能です。
高度な企業サイトであれば、HTMLとCSSの知識は多少必要ですが、個人運営の簡易的なサイトであれば、難しい専門的な知識がなくても問題なく利用できます。というのも、独自のデザインを選択できる「テーマ」という機能があるからです。
テーマには有料のものもありますが、無料で配布されているものも多数あり、世界中のデザイナーが作成した膨大な数のテーマから好きなテーマを選択して、簡単にサイト全体のデザインとレイアウトを設定することができるのです。
任意のテーマを適用することで、HTMLとCSSでのコーディングは不要となり、WordPressの管理画面上で、クリックと文字入力だけでスピーディーにサイトを作成できます。
また、「プラグイン」という機能を利用すると、WordPressに便利な機能を追加することもできます。
例えば、お問い合わせフォームやショッピング機能などを実装する場合、本来ならHTMLとCSS以外にもPHP(HTMLを出力することを目的としたプログラミング言語。WordPressはPHPで開発されている。)やデータベース、プログラミングなどの高難度な知識が必要で作成時間も掛かってしまいますが、WordPressで「プラグイン」を利用すれば、管理画面での簡単な操作のみで素早く実装することができるのです。
ここまで読んだだけでも、WordPressの便利さを感じたと思いますが、多数あるメリットから5つのメリットを挙げてみますね。
WordPressのメリット5選
- 無料で始められる
- 無料、有料のデザイン(テーマ)を設定できる
- カスタマイズで複雑な機能(プラグイン)を簡単に導入できる
- 専門知識なしで簡単に更新できる
- 不明点はインターネットで調べて解決できることが多い
1、3、4 のメリットについては、前章でも紹介した通りですので、もっと詳しく知りたい方は、インターネットや書籍などでじっくりと調べてみることをおすすめします。
必要に応じて、自分で実際に確認することは大切ですし、何よりさらに理解も深まりますよ。1、5 のメリットについては、以下に補足しますので参考にしてみてください。
無料で始められる
冒頭で紹介した通り、WordPressはCMSと呼ばれるソフトウェアの1つで、誰でも自由に利用することができます。
しかも、WordPressのシステム自体は無料で配布されているので、サーバーにインストールすることで、誰でも無料で始めることができます。
無料のレンタルサーバーを利用したり、自分のパソコンでサーバーを立てたりする方法で完全に無料でWordPressを利用することも可能です。
その場合は、意図しない広告がサイトに表示されてしまうなどの制約があったりするので、一般的には、WordPressを利用前にレンタルサーバーやドメインを自分で取得します。
ですので、サーバー代とドメイン代で多少の費用が必要ですが、毎月500円~2000円程度で済みます。
レンタルサーバーやドメインの会社とプランは複数あるので、契約前に自分に一番適したものを選ぶ必要があります。ちなみに、WordPressの簡単インストールに対応している主なレンタルサーバーは以下の通りです。
レンタルサーバ名 | 年間費用 |
---|---|
エックスサーバー | 12,000円~ |
ロリポップ | 3,000円~ |
さくらインターネット | 4,762円~ |
多くのレンタルサーバーで、本契約の前に1~2週間無料のお試し期間があります。
不明点はインターネットで調べて解決できることが多い
WordPressは日本国内のCMSのうち80%を越える市場シェアを占めていることもあって、たくさんのユーザーが、ウェブサイトやブログなどでWordPressに関する有益な情報を発信しています。
また、WordPressには「WordPress Codex」と呼ばれるオンラインマニュアル(参照:https://wpdocs.osdn.jp/Main_Page)があります。
実は、WordPressはセキュリティ強化などで随時バージョンアップしているのですが、時々、大きな変化があることがあります。
例えば、バージョン5.0からは、旧来のエディタ(編集画面)からGutenbergが導入されました。Gutenbergは「ブロック」という概念を用いたブロックエディターで、HTMLの知識がなくても複雑なレイアウトやデザインができるようになりました。
このように、WordPressは進化し続けており、それに伴ってウェブ上にも様々な情報があります。書籍(販売される頃には情報が古くなっている可能性も…)よりも早く、しかも手軽に最新情報を収集することができるので非常に便利です。
さらに、適用している「テーマ」によっては、オンライン勉強会が開催されたりもしますので、個人で本格的なサイトを制作する際には、うまく活用してみるのもありですよ。
まとめ
本記事では、WordPressを利用すれば、誰でも簡単に本格的なサイトを制作できることを紹介しましたが、今後もWordPressの利用者は増えていくことでしょう。
つまり、WordPressの需要があるということは、深い知識があればあるほど、就職でも有利になる可能性が大きいですよ。
ただし、何事にも必ずメリットとデメリットの二面性はありますので、便利なWordPressにもデメリットはあるでしょう。
今回はデメリットについては言及しておりませんが、最後に強いて挙げるとすれば、「テーマ」や「プラグイン」の選択肢が多いことでしょうか。選択肢が多いことは便利なようで、迷いやすくなったり、適切な組み合わせを判断したりしなければなりません。
WordPressで本格的なサイトを制作して、さらに周囲に差をつけるなら、メリットだけでなくデメリットも知り尽くし、適切な判断力と柔軟な発想力も磨き続けるべきです。
もっと欲をいえば、PHPやデータベースなどの高度な専門知識を駆使してオリジナルのテーマを作成できると、間違いなく就職先の選択肢は広がります。
将来、フリーランスとして独立する場合でも、WordPressで自分のサイトを作成できると非常に役立つことになるでしょう。
WordPressの習得は損ではありませんので、少しでも興味があったら、まずは気軽なブログサイトの作成から挑戦してみてはいかがでしょうか。