離職率は○○%!?3Kと噂される知られざるプログラマの職場環境を離職率から比較し考察してみた

プログラマ・SEなど IT エンジニアに就職・転職を検討されている方たちの関心のある事といえば、職場環境がひどいのではないのかということ。いくら、プログラミング言語を学んで準備したところで、ひどい職場環境で働くのは嫌ですよね。

でも、ITの現場は3K(きつい・帰れない・給料が安い)ということも聞いたこともあると思います。

今回は、プログラマやSEなどIT エンジニアの離職率を他の産業と比較し、今のIT業界の状況を見ていきましょう。

他産業と離職率を比較

プログラマやSEなどIT エンジニアの離職率は他の産業と比較して高いのか。今回確認した資料は、厚生労働省が発表している「雇用動向調査」になります。この資料は、就職・転職した入職率と退職などした離職率を確認することができます。

今回は、「平成30年雇用動向調査結果」の「 付属統計表2 産業別入職・離職状況」より、離職率の高い順でランキングを作成してみました。

順位 産業離職率(%)
1宿泊業、飲食サービス業26.9
2生活関連サービス業、娯楽業23.9
3サービス業(他に分類されないもの)18.3
4教育、学習支援業16.6
5医療、福祉15.5
6不動産業、物品賃貸業13.7
7卸売業、小売業12.9
8情報通信業11.8
9金融業、保険業11.1
10電気・ガス・熱供給・水道業10.7
11運輸業、郵便業10.5
12学術研究、専門・技術サービス業10.1
13製造業9.4
14複合サービス事業9.3
15建設業9.2
16鉱業、採石業、砂利採取業6.7
(引用元)平成30年雇用動向調査結果「 付属統計表2 産業別入職・離職状況」より作成

意外なことに離職率は8位となり、他にも高い離職率の産業あるという結果になりました。産業全体の離職率は、14.9%となることからIT業界は比較的離職率は低いということになります。

プログラマ・SEの職場環境

では、本当にプログラマ・SEの職場環境はいいのでしょうか。

実際は、所属する会社次第のようです。IT業界を大別すると、会社に紐づくIT部門、いわゆる社内SEと、システム企画、開発、運用まで広く対応するSIer(エスアイアール)のプログラマとSEに分かれます。

社内SEは、会社に紐づいているので会社の方針次第ですが、大半のシステム案件はSIerに発注するので、時間に厳しくはならない傾向にあります。

SIerは、ピンからキリまであり、特に親会社の下請けをしている会社の職場環境はひどくなることが多いようです。

特にIT業界の特徴として、多重請負構造になっているため、図にあるような三次請けの会社のプログラマ・SEは、一次請けの失敗などの尻ぬぐいなどもあったり、顧客企業の急な仕様変更の要望のあおりを受けたりします。

そのため、3K(きつい・帰れない・給料が安い)の状態になり、ひどい職場環境になるケースもあるようです。

職場環境の選び方

では、そのような会社に遭遇しないためにはどうすればいいのでしょうか。いくつか選択肢とポイントがあります。100%大丈夫とは言えませんが、ひどい職場環境を回避できるかもしれません。

1.社内SEのポイント

会社の規模が小さくなると当然IT部門の人員が少なくなります。人員が少なくなるということは、担当する範囲・領域が広がります。プログラマとして就職したのに他の部門のパソコンの設定、プリンターの設定などもする必要がでてきます。

システム開発に携わりたいのであれば、規模の大きな会社でシステム部門があることを確認するのがいいでしょう。

2.SIerのポイント

多重請負構造の関係で、3次請け以降4次請け、5次請けとなると、さきほど話した3Kになりやすい環境となります。それは、多重請負構造上の問題なので、多重請負構造自体が解消されない限り変わることはありません。

年収については、多重請負構造になっているため1次請け2次請けと徐々に年収が落ちていくようになっています。SIerのプログラマ・SEへ就職・転職を目指すのであれば、なるべく1次請けか2次請けの会社がねらい目です。

3.他の選択肢

IT業界は大別すると2つになりますが、他の選択肢もあります。例えば、スタートアップの会社に入るケースや、フリーランスとして活動するケースです。ここ最近では、クラウドソーシングなどのサービスがあるため、フリーランスとしても充分収入をえられます。

ただし、スタートアップであれ、フリーランスであれ、未経験でも直ぐに現場に入り問題があれば対応する必要があります。社内SEやSIerよりもフォローが手薄になる可能性もあるのでご注意ください

まとめ

いかがだったでしょうか。

プログラマやSEなどIT エンジニアの離職率や、職場環境については、数字上は他の産業と比較してもよさそうでも、選ぶ会社によっては必ずしもいい職場とは限りません。IT業界は様々な職種があるため、当然といえば当然かもしれません。

これから就職・転職を検討されている方は、社内SEを目指すのか、SIerを目指すのか、スタートアップ、フリーランスを目指すのかをよく検討し選択してください。