勉強時間は多くとっているし、しっかりと机に向かっているのに効率が落ちているきがする。という方はいませんか?
実はその原因は睡眠不足によるものかもしれません。人間の脳は疲れると正常に働きません。適切な休養をとることで最大限のパフォーマンスを発揮することが出来るのです。
今回は寝る間も惜しんで勉強しているのに効果が出ていない方に睡眠の重要性をご紹介します。
寝る間を惜しんで勉強しているのになかなか効果が出ない
寝る時間を削って夜中まで勉強しているのになかなか結果が出ない。こういう悩みを抱えている方は意外と多いと思います。特に大切な試験の直前の追い込み期に結果がついてこないと、焦って徹夜して詰め込んだりしてしまうかもしれません。
しかし、睡眠をとらないというのは、勉強にはかえって逆効果になってしまいます。恒常的に睡眠不足の状態だと、勉強以外の日常生活にも支障をきたす恐れがあります。具体的なリスクと、適切な睡眠時間についてみていきましょう。
睡眠負債をかかえると死亡のリスクがあがる
睡眠時間が短い生活を続けていくと、疲労が回復せずに心身に不調をきたすようになります。睡眠不足が続く状態は睡眠負債と言われ、命にもかかわることにもなります(注1・注2)。具体的には以下の悪影響が出ます。
- ストレスが増大する
- 頭がぼんやりすることで認知機能が低下する
- 正常な判断能力が鈍り事故を引き起こす確率があがる
- 些細なことでイライラするなど気分の変動が激しくなる
- 疲労が回復していないことにより免疫力が低下する
- 慢性疾患のリスクが増える
など、正常な日常生活を送るうえで支障をきたす恐れがある症状ばかりですね。頭がぼんやりした状態では勉強に集中して取り組むことは出来ませんし、些細なことでイライラしていては周囲の人間にも悪影響を与えてしまいます。
睡眠負債を抱えたまま生活していると、死亡率が適切な睡眠をとる人の2.4倍になるなどの研究結果もあり(注3)、睡眠不足を侮ってはいけません。
睡眠の役割
人間は睡眠中に何をしているのか、ここで確認しておきましょう(注4・注5)。主な役割は以下です。
- 脳を休息し、メンテナンスする
- 記憶を整理する
- ホルモンバランスを調整する
- 免疫力を向上させる
それぞれみていくと、まずは脳を休ませるという役割があります。脳をずっと使い続けていくと疲労し、機能が低下します。睡眠中に脳を劣化させる物質を排出するなどのメンテナンスを行っているのです。
勉強の効率化という観点でみると、睡眠は記憶の整理・定着化を行っています。一度寝ることで、勉強した内容が記憶として定着します。ホルモンバランスを調整したり、免疫力を向上したりすることもまた睡眠の重要な役割です。
睡眠中に成長ホルモンやメラトニンなどの生態ホルモンが分泌されることにより、身体の成長を促進し、生活リズムを整えています。睡眠不足になると病原菌を殺す細胞が減少することになり、結果的に病気にかかりやすくなるのです。
健康な肉体で勉強を継続するためにも睡眠はしっかりととるようにしましょう。
自分に適切な睡眠時間とは
それでは疲労が回復して、勉強に集中しやすくなる睡眠時間とは何時間でしょうか?一般的には6時間半から7時間半の間が適切な睡眠時間だと言われています。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2種類の状態があることは多くの方がご存じだと思います。
レム睡眠が浅い睡眠、ノンレム睡眠が深い睡眠状態です。レム睡眠からノンレム睡眠になるというサイクルを4回繰り返すと良いとされており、各サイクルは個人差がありますがだいたい90分から120分の間です。4サイクルを満たす時間がだいたい6時間から8時間の間なので、睡眠時間が6時間半から7時間半が適切であるというのは理にかなっていますね。
6時間未満の睡眠を継続すると徹夜と同じ状態になるという研究(注6)もあるように、6時間以上は毎日睡眠の時間を取ることが大切です。
注意したいのが、寝すぎることもまた悪影響であるという点です。睡眠のとりすぎにより体内時計が狂ってしまい、不調をきたしてしまいます。なにより、勉強時間が少なくなってしまいますので、過度な睡眠をとることもやめましょう。
自身に適切な睡眠時間には個人差があります。上記を参考にしながら、最も効率よく勉強できる時間を探してみてはいかがでしょうか。
質の良い睡眠をとるために重要なこととは?
単純に睡眠をとるだけではなく、質のいい睡眠をとることで回復の効率を高めることができます。就寝前に光を見すぎるとなかなか眠りにつけず、質の良い睡眠をとることが出来ません。
パソコンやスマートフォンなどのブルーライトは目に強い刺激を与えるため、夜遅くなってからの勉強は紙ベースに切り替えるなどの対策を行うことが肝要です。
体をリラックスさせるために就寝1時間から2時間前に入浴するとよいでしょう。体温が上昇し、血流もよくなるため深い睡眠を誘うといわれています。直前すぎると体が興奮状態になってしまうので、寝る少し前が良いとされています。
まとめ
今回は睡眠の重要性についてご紹介しました。睡眠時間が6時間よりも短くなると、記憶の定着や疲労回復などの脳の機能を阻害します。
集中力が続かない中で長時間勉強するよりも、適切な時間で質の良い睡眠をとることで学習効率を上げることが出来ます。ただやみくもに勉強すると効率が悪くなるばかりでなく、健康に悪影響が出てしまいます。自身の健康を第一に、効率よく勉強を継続できる睡眠時間を見つけることが大切です。
参考サイト一覧
1.睡眠負債http://www.myclinic.ne.jp/imobile/contents/medicalinfo/gsk/top_topic/topic_106/mdcl_info.html
2.睡眠不足が招くリスク
https://www.philips.co.jp/a-w/healthyjapan/sleep/risk-sleep-deprived.html
3.睡眠6時間以下の人は死亡率が2.4倍にhttps://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00059/061800040/
4.日本看護学校協議会共済会 連載「睡眠」
https://www.e-kango.net/selfcare/aroma/sleep/vol2.html
5.新百合ヶ浜総合病院 睡眠について
http://www.shinyuri-hospital.com/column/column_201803.html
6.6時間以下なら、徹夜と同じ!?睡眠時間と作業効率の関係
https://tabi-labo.com/135190/ways-to-get-better-sleep