あらゆる仕事に必要不可欠なデザイン。例えば、ロゴマークやポスターを作るグラフィックデザイン、商品を作るプロダクトデザイン、家やビルを建てる建築デザインなど、全ての仕事でデザインは重要な役割を果たしています。
特に、現代社会で需要が増えているのはWEBサイトを作るWEBデザインです。WEBサイト自体が増加していますし、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンの普及により、それぞれのデバイスに合わせて適切な表示が必要ですので、ひと昔前と比べてWEBデザインは細分化しています。
本記事では、WEBデザインの概要と独学での勉強法を紹介しますので、「WEBデザインについて勉強し、転職したい」という方、ぜひ参考にしてみてくださいね。
WEBデザインとは
そもそもデザインとは
そもそもデザインというと、単純に「見た目」を作り上げることだと思われがちですが、デザインの奥は非常に深く、その種類も多岐にわたります。
形や彩りを中心としたものだけでなく、情報や機能、工程を設計する「役割」もデザインなのです。デザインの未経験者や初学者に多いのは、デザインとアートを混同し勘違いしてしまうことです。
アートは「自己」表現です。機能や理論なしに、自分の意思を発信したり、社会への問題を提起したり、自己の発信です。
一方、デザインは「他人」表現です。発信情報をユーザーにどのように伝えたり、どのように説明したりするかを考え、それには機能や理論が求められ、問題解決に至る必要があります。
広い視点では、様々な分野におけるデザインの基礎は似ていますが、それぞれの専門知識と技術という点では、デザインは各分野でそれぞれ違うものといえます。
WEBデザインとはWEBサイトを具現化すること
本題のWEBデザインを一言でいうと、WEBサイトのデザインを作ることですが、もう少し踏み込んでいうと、依頼者がイメージするWEBサイトを具現化するということです。
つまり、ゼロベースからサイトの全体を作り上げたり、既存のサイトの一部を変更したりして、依頼者の要望や問題を解決することです。
そして、WEBデザインに欠かせないものは、モニタとデバイスです。使用しているモニタとデバイスによって、「色」や「フォント」、「画像」の表現が微妙に異なり、印刷物のように細かな調整ができないという特徴があります。WEBサイトは利用環境によって、色もサイズも変化する特殊な媒体により、常に汎用的な制作が求められます。
WEBデザインを作成する場合、世の中で多く利用されている環境の平均的なサイズを調べて、パソコン、タブレット、スマートフォンそれぞれの最適なサイズを用意することになります。
HTMLとCSSは必要
WEBサイト制作の現場では様々な技術も使用されており、デザイン面のみ見ても、HTMLとCSSは最低限必要なものです。
HTMLはHyper Text Markup Languageの略で、WEBページを作成するためのマークアップ言語。マークアップ言語を別な表現でいうと、人間側からコンピュータが理解できるように翻訳された言語というと分かりやすいでしょう。
CSSはCascading Style Sheetsの略で、HTMLで作成されたページのレイアウトやデザインなどの装飾をするための規格。文字や背景、色、画像の指定、位置などレイアウトやデザインに関する情報をCSSで指定します。
シンプルに、HTMLは「意味付け」、CSSは「装飾」の技術と覚えておくとよいでしょう。
そのほか、WEBサイト内でボタンをクリックしてポップアップウィンドウを出したり、メールフォームなどの条件を与えたりする様々な効果や機能は、プログラミング言語が必要です。
WEBサイトの設計図「ワイヤーフレーム」
コードをかく前に、「ワイヤーフレーム」と呼ばれる設計図が必要です。最初にWEBサイトのレイアウトを決め、徐々に細部のデザインを決めていきます。ここで重要なのは、見た目だけを重視するのではなく、情報と機能をしっかりと整理してデザインすることです。
ユーザーにとって利用しやすく理想的な形、美しさ、機能をバランスよく決め、ひとりよがりなデザインにならないように注意しなければなりません。
WEBサイトの設計図であるワイヤーフレームを完成させたら、いよいよHTMLとCSSでコードをかいていき、必要に応じてプログラミング言語をコードに追加していくという流れでWEBサイトを作成していきます。
WEBサイト制作では、コードをかく前に、「ワイヤーフレーム」と呼ばれる設計図を作成します。しかし、ワイヤーフレームを作成する方法は、手書きからツールまで何種類もあり、デザインも無数なため、悩まれている方は結構多いのではないでしょうか。 […]
WEBデザイン初学者の勉強法(独学編)
WEBデザインをデザインの基本から学術的に学ぼうとしたら、専門学校や大学でじっくり時間をかけて向き合う必要がありますが、社会人が「WEBデザインについて勉強し、転職したい」という場合、真剣に取り組めば独学でも夢を叶えることはできます。
書籍やインターネットで情報を収集し、自分でしっかり計画を立てて勉強できれば心配いりませんが、何からやってよいか分からない方は、まずはHTMLとCSSから学習していくことをおすすめします。
下記にて具体的な勉強の道筋をまとめておきましたので勉強のイメージをつけたい方は一度見ておくと良いかと思います。
WEBデザイン初心者の勉強法 近年インターネット事業が増々盛んになっており、WEBデザイナー、ITエンジニアといった職業が注目されています。そんな中、WEBデザインを勉強したいとWEBサービスや、WEBデザインの専門学校を探している[…]
WEBサイト制作は、デザインの後にコーディング(プログラミング含む)ですが、中小企業やフリーランスの場合、一連の作業を一人で実施することもあります。
そうでなくても、HTMLとCSSを全く知らないままワイヤーフレームを作ってデザインを決めたら、フォントの大きささえ適切ではないだろうし、ひとりよがりなデザインになってしまう可能性が大いにありえます。
そこで、独学でHTMLとCSSを学習するのにうってつけのオンライン学習サービスを2つ紹介します。
サービス名 | URL |
---|---|
Progate | https://prog-8.com |
ドットインストール | https://dotinstall.com |
どちらもプログラミング入門の学習サービスで分野ごとに多数のレッスンがあります。有料レッスンだけでなく無料レッスンも充実しています。
プログラミングをマスターするわけではありませんので、コーディングするための環境設定、HTMLとCSSに関する無料レッスンを受講し、基本を学ぶのです。
無料レッスンを受講していき、もっとコーディングを極めたくなった場合は、有料レッスンを進めて問題ありません。
コーディングよりもワイヤーフレームの作成を習得したい場合は、無料レッスン受講後、Adobeという会社が提供しているアプリケーションについて調べて、勉強を進めてみてください。特に、以下の3つのアプリケーションはWEBデザインでよく利用されます。
ツール名 | 概要 | オススメ度 |
---|---|---|
Photoshop | プロフェッショナル画像編集ツール | ★★ |
Illustrator | 高品質なデザイン/イラスト作成ツール | ★ |
Adobe XD | WEBサイトやアプリのUI/UXデザインツール | ★★★ |
WEBデザイン初学者に最もオススメなのは、【Adobe XD】です。
画像編集やイラスト作成を極めるのは時間を要しますので、使用する素材は著作権フリーのものを利用し、【Adobe XD】でWEBサイトのレイアウト作成の練習を重ねていくのが良いです。
【Adobe XD】は無料版もあり、無料版は一部の仕様は制限されますが、ワイヤーフレームの作成は問題なくできますよ。
もちろん、経済的に余裕がある場合は3つとも契約し、独学で習得するのに越したことはありません。書籍を購入するのもよし、インターネット上で無料のチュートリアル動画を観るのもよし、自分に合ったスタイルで楽しく勉強を進めましょう。
WEBデザインの制作では、コードをかく前に、WEBサイトで使用する素材(写真やロゴ、イラストなどの各パーツ)を決めてから、「ワイヤーフレーム」と呼ばれる設計図を制作します。 [sitecard subtitle=あわせて読みたい u[…]
まとめ
本記事では、WEBデザインと初学者の独学法を紹介しましたが、IT業界での人材不足が問題となっている現代において、WEBデザインの知識とスキルを身に付けておくと、転職で有利になる可能性が大きいので、前向きに挑戦してみてくださいね。
HTMLとCSSでコーディングもできるWEBデザイナーは就職先の選択肢は広がります。また、Adobeのアプリケーションを使いこなせると、グラフィックデザインもできるWEBデザイナーというような道が開け、将来、フリーランスとして独立できるかもしれませんよ。
WEBデザインを学び、今よりステップアップを目指して頑張ってくださいね。